パンデミック:非医療行為におけるPPEの使用について

Release Date:
4月 22, 2020

本ガイダンスは、新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミック対策に関わる就労者を保護しながら、諸機関が個人用保護具 (PPE) を使用、管理するにあたっての指針の概要です。

目的

「COVID-19対策における個人用保護具 (PPE) 不足への対応」は、三つの柱となる行為、すなわち、減らす、再利用する、用途変更する[reduce, reuse, repurpose] を実施することにより、医療従事者、緊急対応救助隊、患者をCOVID-19の脅威から守ることを目的としています。類似のPPE (N95保護マスクなど) を通常の業務で使用する職種では、医療従事者や緊急対応救助隊による使用が優先される現状において、PPEの入手が困難になっていくと考えられます。業務を遂行するためにPPEを必要とする 日常不可欠なインフラの従事者 は引き続き業者を通じてPPEを入手しなければなりませんが、品不足が続くものとみられます。あらゆる業界で、速やかに既存のPPEを確保し、かつ不足に対応するために就労の仕方を変えることが求められています。

非医療行為におけるPPEの確保

PPEを確保するためのな方針として、仕事に必要なPPEの適正水準を見極めることが大事です。非医療行為の職種にあっては、通常業務の一環としてPPE着用が法規制で義務付けられているかどうか、また就労者のCOVID-19感染の可能性を低下させるために必要かどうかを判断しなければなりません。

日常必要不可欠なインフラの従事者による通常業務でPPE着用が法規制で定められている場合:

  • 損傷がなく、目視で汚れが認められないPPEの利用時間を延長し、現場毎のPPE再利用延長の指針と手続きを実施する。
  • 疾病対策センター (CDC) による医療行為のための器具と PPE供給の最適化 を図る方針、およびPPEの供給維持のための最善策 を適用、実施する。
  • フィルターフェイスマスクを有事緊急対策として 汚染除去し再利用する方針 を実施する。
  • PPEの必要性と使用回転率を把握し、追跡調査を行う。独自の計算方法がない場合はCDCの PPE使用回転率の計算機 を利用する。
  • 必要な業務を行うにあたり、別種類のPPEや異なる調達先を利用する。以前は食品医薬品局(FDA)の認可が下りなかった国立労働安全衛生研究所(NIOSH)認可の保護マスク類を使用する。規制緩和や緊急利用における認可について、FDAや労働安全衛生局 (OSHA) のウェブサイトで最新情報や告知を確認する。
  • 製造業や建築現場など非医療行為の従事者が使用するフィルターフェイスマスク[filtering facepiece respirator](FFR) の節約、延長使用、供給不足に対応する方針について、CDCのNIOSH によるガイダンス に従う。

日常必要不可欠なインフラの従事者による通常業務でPPEの着用が法規制で定められていない場合:

  • バリア制御(プレキシガラス、改良型喚起システム等)などの露出制御や、従業員が十分な距離を取って作業できるような環境を実現する業務改善を実行する。職場における全体的な露出リスクをさらに軽減するためにCDCの 企業・事業主向けCOVID-19対策の暫定ガイダンス を参考にする。
  • 上記従業員のために医療従事者向け、業界仕様のPPEを調達する。そのようなPPEはそもそも優先順位の高い日常不可欠なインフラに回されて利用できない可能性が大きい。N95保護マスクや外科手術用マスクは重要な品目であり、現在のCDCガイダンスで勧告されているとおり、医療従事者や他の緊急応答医療救助関係者のために確保しておかなければならない。
  • 簡素化された布製マスクの使用について CDCのガイダンスに従 う。CDC の勧告 によれば、ソーシャル・ディスタンスの維持が難しい公共の場(制御室、製造現場など)、とりわけ近隣社会における伝染が予想される場所においては、マスクの着用が求められている。 
  •  新型コロナウィルスに対する大統領のガイドライン、感染抑制のための 30日間を補足するためのマスク使用が政府によって勧告されて以来、アメリカ市民の間で需要が伸びている市販の布製マスクも不足している。市販の布製マスクが手に入らない場合は、普通の素材を使って安く仕上げることもできる。マスクの作り方と使用方法についてはCDCのガイダンス に従う。

どの業界も、COVID-19感染者と接触した惧れのある(無症状の)日常不可欠な従事者が一日でも早く職場復帰できるよう、米政府によるガイダンス に従ってください。

PPE不足の状況下での入手

上記方針によりPPEの需要を抑制したうえでなお、日常不可欠なインフラの従事者 が職務を遂行するためにPPEを必要とする場合:

  • 通常もしくは代替の民間セクター供給元からPPEを入手する。複数の供給元を確定し、優先的に短期、長期の見通しを立てる必要がある。
  • PPEが緊急に必要であるが供給元により需要が満たされない場合は自治体または 州の危機管理局に援助を要請する。地方自治体の危機管理局がPPEの不足に対応できない場合は、州政府に要求をつなぐ。州政府が対応できない場合は、FEMAの地域対応調整センターに協力を要請できる。

日常不可欠なインフラの従事者のための緊急を要するPPE補給について地方自治体、州または連邦機関に要請する際には、以下のような正確な情報が求められます。:

  • 種類、数量 (30日、60日、90日等の試用期間に対応)、PPEを使用する場所の特定
  • PPEの使用回転率に基づき、不足が業務に支障を来すまでの推定期間
  • 不足がもたらす帰結とその影響の持続期間

要請するにあたっての自問自答

日常不可欠なインフラ従事者を雇用していますか?
いいえ、の場合は現在PPEを必要としていません。日常不可欠な就労者でない方は、自宅待機、ソーシャル・ディスタンスの遵守、在宅勤務などを励行する必要があります。

PPE使用を最低限にするための努力をしましたか?
いいえ、の場合はCDCその他のガイダンスに従い、問題解決法を工夫したり、業務慣行を調整したりしてPPEの必要性を削減したり、削除するようにします。

PPEが必要な場合、それは法規制で規定されていますか?
いいえ、の場合は布製のマスクを使用するようにします。PPEは必要不可欠な業務を遂行するためにそれを必要とする就労者のために確保されなければなりません。

規制緩和や認可済の代替物について調べたことがありますか?
いいえ、の場合はPPE使用を定めている規制機関に問い合わせてください。PPEの不足に対応した通知、規制緩和、代替物に関してFDA、NIOSH、OSHAの告知を閲覧します。

必要なPPEは「不足・欠乏している医療品」*に指定されていますか?
いいえ、の場合は通常ルートの供給先を当たるべきです。FEMAは医療行為に使用されるPPEのみ、在庫の管理をしています。
*“Memorandum on Allocating Certain Scarce or Threatened Health and Medical Resources to Domestic Use” を参照のこと。本指針の対象となるPPEの一例としては以下が挙げられます。N95保護マスクおよび各種フィルターマスク、空気浄化マスク、外科手術用マスク、外科手術用手袋

必要性について的確に定義できますか?
いいえ、の場合は、上記ガイダンスを適用のうえ、PPEの必要性を正確に記述してください。政府機関が検討するうえで詳細な情報が必要です。

サポートの要請

地方自治体や州政府の危機管理局にサポートを要請してください。政府は要請のすべてに応えることはできないため、引き続き通常の供給元を通じてPPEを調達するようにしてください。

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